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縁のほつれを修復。真鍮粉仕上げ。

 

鮮やかなブルーが目を引くカップをお預かりました。

欠片も一緒にお預かりしていたのですが、

今回は使わずに錆漆で欠け全体を埋め、仕上げに真鍮粉を蒔きました。

 

まるで照らされた海のような美しいカップは真鍮の金と相性がとても良く、

お直しした箇所が器の良いアクセントとなる仕上がりとなりました。

 

亡くなったご主人がお酒をのむ際に使われていたというこのカップ。

また使うことができて嬉しい、と喜んでいただけたのが何より印象に残ります。

 

使っていた方がいなくなってしまっても、壊れてしまっても、

まだ誰かが使いたいと思ってくれる。

作り手にとって、器にとってこれほど幸せなことはないでしょう。

 

ご依頼いただきありがとうございました。